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2016年5月

2016年5月24日 (火)

自作コントローラの導入補助機能のエラーの原因究明

自作コントローラの目標天体導入補助機能で、暴走や方向音痴状態になることの原因を探るため、ブレッドボードでエミュレータを作成し、検証してみた結果について、以後同様のことを避ける目的で詳細を書いておきます。

まずは、現象の再現です。

20160523_3370_2赤経移動量

20160523_3371赤緯移動量

アークトゥルス→M51の導入 手元操作ボックスでの、移動量の計算値

アークトゥルス= 赤経14h15m40s=213.91° 赤緯+19°10'57"=+19.17°= 70.83°
M51           = 赤経13h29m54s=202.47° 赤緯+47°12'00"=+47.20°= 42.80° 移動量        = 赤経-11.44° 赤緯-28.03°

手元操作ボックスが送信した赤経移動量(ステップ数)

赤経移動量の計算値 = (1144× ( 2048(step/0.1°) + 5(step/0.1°)) ÷ 10 = 234863 = 0x0003956F

手元操作ボックスが送信した赤緯移動量(ステップ数)

赤緯移動量の計算値 = 2803°× ( 2048(step/0.1°)  ÷ 10 = 574054 = 0x0008C266

本体コントーラが指示した赤経移動量

その差 (234863 - 169327)÷2053 ÷10 = 3.19°

本体コントーラが指示した赤緯移動量

その差 (574054 - 508518)÷2048 ÷10 = 3.20°

前回検証した誤差量3.2°に一致します。

また、おおぐま座η→M51の導入について、上記と同様に検証したところ、本体コントーラが指示した移動量に「-」が!!
移動量の±は、回転方向で表していますので、移動量は絶対値を使っており、負の数にはならないばずなのですが、これが暴走の原因です。

20160523_3372

長々と書きましたが、結論は、暴走、方向音痴とも再現する現象で、プログラムミスに原因があることは明白です。

どうも、本体コントーラが受け取ったbyteデータをlong型の整数に戻すときの式に型変換上の問題があることが分かったのですが、どう書いたら、正しく計算するのかがなかなか分かりませんでした(つまりはC言語の型変換が理解できていないと言うはずかしい結果)。

試行錯誤した結果、手元操作ボックスからの指示データ(4byteデータ)を受け取って、ステップ量に戻す式

step = val[0]*0x1000000 + val[1]*0x10000 + val[2]*0x100 + val[3];
※変数の型はstep・・・long、c[]・・・unsigned charです。

の赤字部分に問題がありました。

ここの部分だけ、型変換時に符号拡張があり、0x80以上の値では、負数に変換されてしまっています。
unsigned charの符号拡張では負数にはならないと思っていたのですが、char型、byte型でも同様の結果です・・・・わかりません。

とにかく、下の式のようにlong型にキャストすることで対応できました。

step = (long)val[0]*0x1000000 + (long)val[1]*0x10000 + (long)val[2]*0x100 + (long)val[3];

結局プログラムミスに原因があったのですが、あやまった記述方法でも数値範囲によっては正しく動作するため、誤認していたのでした。

型変換の理屈はとんと理解できていませんが、上記式の「val[2]×0x100」が問題をおこしていたみたいです。

なにはともあれ、これでめでたく導入補助機能の問題点も解決したはずです。 いよいよ、次の撮影が楽しみになってきました。

2016年5月22日 (日)

自作コントローラの導入補助機能の検証

5月の連休では、ほとんど撮影ができませんでしたが、自作コントローラの目標天体導入補助機能を試すことはできました。

導入補助機能の概要は、

  1. 基準星(1等星等)を手動で導入し、導入した基準星をArduino nanoのEEPROMに記憶させた19天体から選択、併せて望遠鏡のサイド(東/西)を選択し、望遠鏡の現在位置を設定する。
  2. 目標天体の赤経(hh/mm/ss)・赤緯(dd/mm/ss)を入力、差分を計算、移動量を赤経/赤緯とも±ddd.ddで表示。
    内部計算は、移動量を計算しやすいように赤経はhh/mm/ss値を度表示(ddd.dd)へ変換、赤緯は±dd/mm/ssを北極を0度とし南極を180度とする度表示(ddd.dd)へ変換して行っている。
  3. スタートボタンで計算された差分だけ赤経→赤緯の順で移動して目標天体を導入。
    赤経/赤緯のモータドライバは独立しているので、同時に動かすこともできるが、動作の確実性を期すため、赤経側移動が完了したあと、赤緯側の移動を行うようにしている。
  4. 望遠鏡の現位置=目標天体位置に更新。
  5. 試写後、必要に応じて、位置を微調整。
    位置の微調整には、速度を変えて(0~400倍速)ボタンを押している間移動するモードと、400倍速でボタン1押しでの移動量を決めて(移動量の範囲0.01~1.00°)動かすモードを使い分けるようにしている。
  6. 以降は、目標天体の位置を指示すれば、次の目標天体へ

となっており、移動速度は400倍速(40r.p.m)としています。

さて、試行の結果ですが、いきなり本番でアークトゥルスを基準にM51へ導入を試みした。
ここでは、赤道儀コントローラを本体と手元に分けたことで、アークトゥルスを視野中央に導入する際の手元コントローラの微動機能を使っての微調整は、もくろんだとおりカメラファインダやPC画面を見ながら手元コントローラボックスで操作できるようになり、極めてスムースに行うことができるようになりました。

コントローラを本体と手元に分けたのは大正解です。

しかし、試写の結果は目標としたM51が写角のなかにはいっておらず、導入失敗です。
これは、前に書いたように赤緯軸のバックラッシュが大きいことが原因と考えられたため再調整して、翌日再挑戦です。

今度は、導入の精度を検証できるように、まずはアルクトールスからおおぐま座η星を導入、その結果が下の写真です。

157若干ずれてはいますが、写角内に目標を捉えており、私的にはほぼ満足できる結果です。

これで気をよくし、ここからM51への移動を試みたのですが、どうしたことか、赤緯の回転が止まらず(暴走)失敗です。

そこで、もう一度アークトゥルスで設定し直し、M51への導入を試みたのですが、今度も写角内に捉えることが出来ません。

M51はあきらめ、今度は、アークトゥルスからM13を導入したところ、ちゃんと導入できました。

これが前回掲載したM13の写真で750mm、1200mmでもほぼ中央に捉えています。

M51の導入に失敗した原因は不明です。 極軸はPHD2のドリフト法まで使って合っていることを確認しましたし、M51の座標は何度も確認したはずなんですが、ふしぎです。

導入後に撮った写真を元に、どれくらいずれているのか調べたかったのですが、目印となる天体が見つからず、半ばあきらめかけていたところで、画面の上隅に銀河が写っていることに気づき、これを頼りにwikiskyで同定してみました。

その結果、写っている銀河はNGC5297で、写真中心は、赤経13h42m43s、赤緯44°02'20"と思われます。

156対して目標としたM51の位置は、赤経13h29m54s、赤緯47°12'00"。

誤差は、赤経で+3.20°、赤緯で-3.16°ととんでもない方向音痴状態です。 赤経、赤緯とも約3.2°の誤差とはなにか意味がありそうですが、M51と比較的近い位置のおおぐま座η星への導入がうまくいっているのでなおさら不思議です。

M51の位置入力は何度も確認したはずなんですが、そのときのメモは残っていませんので、検証しようがありません。
まあ、結局はなんかの思い込みによる誤入力というのが落ちなんでしょうけれども。

また、赤緯軸が暴走したことについては、もう一度プログラムを見直してみる必要があります。

でも、M13の導入では1200mm+D7100の写角(1.1度×0.7度)でもほぼ中央に捉えていますし、アークトゥルス→M13(赤経差36.5度、赤緯差17.2度)を40秒弱で導入できますので(赤経軸・赤緯軸を同時に動かせばもっと短縮できるのですが)、この導入補助機能が安定すれば、実用上は有効ではと考えています。

2016年5月20日 (金)

BKP150 スパイダーマスク、光軸調整の成果?

5月の連休でわずかに撮影した写真を改めて確認してみたところ、BKP150のスパイダーマスク、光軸調整の結果がうまくいってそうだと思えるようになりました。

まずは、その写真です。

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中心に写っているのはアークトゥルスです。

こちらは、4隅の画像を拡大してみたものです。

154

光条の割れはほとんど見られませんし、周辺の星の形もほぼ円形で、コマ収差も私的には満足できる程度には補正されている感じです。

もう一枚は、M13の写真、風の影響か、ガイド精度がよくありませんので、評価用としては不適なのかもしれませんが、周辺の星像はそこそこではないでしょうか。

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今回の撮影時は特に光軸調整が当たったみたいで、全てが好転した感じです。 光条の割れについても、光軸調整、特に斜鏡の回転方向の影響が大きそうで、当然のことなんでしょうが、なにはなくとも光軸調整!!だと思い知らされた次第です。

光軸調整方法については、自作の治具とデジカメ、コリメーションアイピース、レーザーコリメータを総動員した手順でやってみました。

今回の光軸調整の"当り"がたまたまなのか不明ですので、これについては、植毛紙貼り付けを予定しており、その際には再度光軸調整が必要となりますので、今回の手順を踏襲してみた上で、後日とりまとめたいと思っています。

輝星のゴーストについては、現状の光学系では避けられないのではとあきらめてかけています。

ちなみに、この撮影時は、望遠鏡側からLPR-Nフィルタ→F5用コマコレクタ→T48リング→D7100の順序で装着しています。

やはり、コマコレクタとT48リングの間にLPR-Nフィルタを入れると、ゴーストは別にして、コマ収差の補正の件ではコマコレクタのバックフォーカスがあわないのでしょうか、これも以前の撮影では光軸調整がうまくいっていなかったので比較しようがありませんが・・・。

とにかく、次回の撮影がたのしみになってきましたが、梅雨のシーズンに入りますし、盆休までおあずけでしょうか。

2016年5月17日 (火)

毎年恒例の来客と小さな驚き

今年のゴールデンウィークでは天体写真の方は、成果なしでしたが、毎年我が家にやってくる恒例の来客は、今年もやってきました。

150芍薬やバラが咲くと、必ずこの青ガエルがそこにもぐり込んできます。

多分花に寄ってくる虫を狙っているのだと思いますが、なんともかわいい姿です。
家内もこれが好きみたいで、結構写真に撮っています。

小さな驚きは、このジャーマンアイリスです。

152このジャーマンアイリスは最初家の東側の軒下に植えたのですが、育ちが悪かったので、南側の花壇に移して次の年の去年は、大きな白と青の花が2~3つづつ咲いた程度でした(連休中は白花が咲き、青花は連休後の開花)。

ところが今年は、大きく茂り、数多くの花が咲いたのですが、さらにオレンジ色の花まで咲いたのです。

球根をかったのは大分前でしたので、オレンジ色を買っていたことは忘れてしまっていたので、うれしい驚きです。

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今年は、青花も連休中に盛りとなり、十分に楽しませてもらいました。

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2016年5月13日 (金)

なかなか予定どおりにはいかないもの

5月の連休は、9連休とし、前半で機材の最終調整、後半で遠征撮影を企画していたのですが、はからずも私事事情で最終調整も半ばの状態で終わってしまいました。

機材の最終調整で、モータコントローラを赤道儀に搭載し最終形にまで仕上げ、BKP150の光軸の確認を行った後、試写となったのですが、どうも導入補助機能の誤差が大きいみたいで、確実に目標が捉えられません。
原因は、赤緯軸のバックラッシュが大きいことだと思い、赤緯軸のウォームギアを再調整しました。

導入補助機能を使ってアルクトールス→M13の導入で撮影した結果です。

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【撮影データ】 2016年4月30日 自宅庭
BKP150 + 純正コマコレクタ(F5用) + TC-16A (焦点距離1,200mm)
LPR-Nフィルター + Nikon D7100(ノーマル)
ビクセンGPD赤道儀(自作2軸モータドライブ化)
D60mm L=240mmガイドスコープ + QHY5L-IIM + PHD2 Guiding
ISO1000 露出360秒×11枚
DSSでコンポジット、Cature NX2で画像処理
周辺光量低下が目立たない2/3程度にトリミング

結局、まともに撮影できたのはこのM13だけになってしまいました。

風があり、テレコンバータ×1.6を使った長焦点(1200mm)とガイド精度がイマイチで、星像が太っていますし、フラット処理をしていないので、周辺光量不足も目立つ失敗写真です。

それと、D7100の長時間露出ノイズが非常に目立つことが気になります。 なにか原因があるのか、気温18度程度、ISO1000の6分露出にしてはノイズが目立って使い物にならない感じで、比較対照をしていないので感じだけですがD5000ではこんなに酷くなかったと思うのですが・・・・。