04 自作赤道義 Feed

2016年2月20日 (土)

性懲りもなく、赤道儀モータドライブ用自作コントローラの改造

先週は、11~14日に帰省して、機材調整、あわよくば遠征もと思っていたのですが、帰省前日の9~10日は快晴となったものの、以後は曇り/雨と天候はままなりません。

機材の調整、主にBKP150の光軸調整とスパイダー隠しの仕上げを行ったのですが、実写ができずに調整結果の確認まではできませんでした。

ほんと、福岡市が日本海側気候であることを思い知らされた次第です。

5月の連休までは帰省の予定が立たないので、この期間は単身赴任先で機材(主にコントローラ)の改善に当てたいと思っています。

そこで、SP赤道儀を改造した一軸ノータッチガイド機一式を単身赴任先に送り、コントローラ7号機の製作と平行して、一軸制御コントローラの改造に取り組むことにしました。

目標は、コントローラを小型化し、赤道儀にキチッと搭載できるようにすること、ピリオディックモーションキャンセラー機能を搭載し、180~300mmの長時間露出を可能にすることです。

ここで、改めて今までに作成した赤道儀モータドライブ用自作コントローラの変遷についてまとめてみました。

【自作コントローラの変遷】

  1. < 1号機>
    ・タンジェントスクリュー式式用
    ・ユニポーラ型ステッピングモータ
    ・モータドライバ STK672-050   
    CPU PIC16F886 モータドライバ STK672-050の動作が不安定で、マイクロステップが機能しない。
    動作不安定の原因は、外付け回路の不備が原因と思われたが、追求せず、新しいドライバ(外付回路不要)を選択。
  2. <2号機>
    ・タンジェントスクリュー式用    
    ・バイポーラ型ステッピングモータ    
    ・モータドライバ L6470    
    ・CPU Arduino Uno
    モータ回転はスムースになるも、タンジェントスクリュー式に限界(撮影可能時間、追尾精度)を感じ、放棄する。
  3. <3号機>
    ・ウォームホイル式用   
    ・バイポーラ型ステッピングモータ   
    ・モータドライバ L6470    
    ・CPU ATMega328(Arduino互換) + PIC12F629(モータ駆動パルス発生用)    
    ・シャッタータイマー機能付き    
    ・結露防止ヒータ温度制御機能付き
    モータコントローラの構成・機能は本機でほぼ完成、これ以降のコントローラはこの構成を踏襲。
    ほぼ、意図どおり動作するも、ギア等の機械部品の精度からか再現性に乏しく、追尾精度が向上しない。市販赤道儀の改造へ方針変更。
  4. <4号機>   
    ・ナノトラッカー用   
    ・バイポーラ型ステッピングモータ   
    ・モータドライバ L6470    
    ・CPU ATMega328(Arduino互換)    
    ・シャッタータイマー機能付き
    ナノトラッカーの精度向上を目指して導入するも、再現性が悪く放棄。 現時点で考えると、再現性の悪さの最も多いな原因は、カメラを搭載機構(雲台を含めた)の強度不足ではなかったかと思われる。
  5. <5号機>   
    ・SP/GPD赤道儀用二軸制御   
    ・バイポーラ型ステッピングモータ   
    ・モータドライバ L6470    
    ・CPU ATMega328(Arduino互換) +  PIC12F629(モータ駆動パルス発生用)    
    ・オートガイドへ対応    
    ・天体導入補助機能付き    
    ・シャッタータイマー機能付き    
    ・結露防止ヒータ温度制御機能付き
    焦点距離1,000mmでもオートガイダー使用でほぼ満足できる精度がでており、機能的には満足できたが、コントローラの操作性が悪く、使い勝手に不満が残った。
  6. <6号機>   
    ・SP赤道儀用一軸制御   
    ・バイポーラ型ステッピングモータ   
    ・モータドライバ L6470    
    ・CPU ATMega328(Arduino互換) + PIC12F629(モータ駆動パルス発生用)    
    ・シャッタータイマー機能付き
    ほぼ、意図どおり動作するも、赤道儀への搭載方法、ノータッチ追尾精度に180mmカメラレンズでも露出90secが限界と不満が残る。
  7. <7号機>(5号機の改善版、製作中)   
    ・GPD赤道儀用二軸制御   
    ・バイポーラ型ステッピングモータ   
    ・モータドライバ L6470    
    ・CPU Arduino nano + PIC12F629(モータ駆動パルス発生用)    
    ・天体導入補助機能付き    
    ・シャッタータイマー機能付き    
    ・結露防止ヒータ温度制御機能付き
    本体/手元コントローラに分割し、操作性の向上を意図している。
  8. <8号機>(6号機の改善版、製作中)   
    ・SP赤道儀用一軸制御   
    ・バイポーラ型ステッピングモータ   
    ・モータドライバ L6470    
    ・CPU Arduino nano + PIC12F629(モータ駆動パルス発生用)
    SP赤道儀への搭載のための小型化、PEC機能によるノータッチ追尾精度の向上を意図するのがメイン、小型化のためシャッタータイマー機能を省く。

こうやって見てくると、なにか天体写真を撮ることよりも、電子工作そのものを楽しんでいるのではないかと思えてしまいます。

製作や改造がなくなったら、撮影のモチベーションが下がってしまうのではないかと心配です。

2015年10月17日 (土)

GPD赤道儀の再調整

BKP150を載せるに当たり、前回の遠征時に気になった、赤経側の周期的暴れについて、再調整してみました。

改めて前回のグラフを載せておきます(グラフの縦軸の単位は秒角です)。

Gpd_2赤経側のトメリングをややゆるめて、赤経側の回転をわずかに軽くした後、モータを外し、ウォームギアを手で回してみたところ、これで良く±1秒以内になっていたなと感じるくらいに回転が重い(渋い)箇所がありました。
そこで、ウォームギアの調整を繰り返し、手の感触の範囲でですが、スムースに回るよう、固定ネジ、押し引きのネジを繰り返し調整した結果が、下のグラフです。

Gpd2 周期的波はありますが、調整前のトゲトゲした波からなめらかなカーブになり、この周期的波を含んでも±1秒以内に納まっています。

この程度ならGPD赤道儀としては満足すべき範囲内でしょうか。
とりあえず、これで良しとしておきます。

<追記>

ガイド精度について、勘違いがありました。
表記したグラフが5データの移動平均化したものだということをすっかり忘れてしまい、ガイド精度を±1秒などと評価してしまっていました。

改めて、平均化しないガイドグラフを載せておきます。

Gpd3 これで見ると、短時間(2~3分)では±1秒程度に納まりますが、1周期(10分間)では、±2秒といったところです。

2015年3月23日 (月)

天体写真撮影用赤道儀3号機-その後(2)-

天体写真撮影用赤道儀3号機の本組を行いました。

モータは、400step/回機が、ケースに納まらないことが判明、というか、コントロール基板と干渉してしまうため、200step/回機を選択しました。 これが赤道儀の機構部です。

20150321_0003ウォームホイールとギアの組み合わせは、モジュール1の歯数50のみとし、これをカップリングで接続したバイポーラ型ステッピングモータで駆動しています。 軸径は、主軸が10mm、ギア軸が6mm、モータ軸が5mmとなっており、5×6mmの異径リジットカップリングで接続しています。

20150321_0005組立は、測定具や治具がないので、もっぱら回転中の音に注意し、音ムラが少なくなるように注意しながら行いました。

20150321_0010ケースは、アルミ用塗料で化粧してみました。 このアルミ用塗料は、結構しっかりしていてよさそうです。

早速試写してみました。

3min21結果は、きれいなサインカーブ様のピリオディックモーションのみとなりました。

誤差は、±  31pic(120秒)と大きいですが、きれいなサインカーブ様ですので、狙いどおりソフト的なピリオディックモーションキャンセラで対応できると思っています。

本格的な撮影は、5月の連休となりますが、今年の連休は月齢の巡り合わせが悪いです。

2015年3月15日 (日)

天体写真撮影用赤道儀3号機-その後-

しばらく書いていなかった、天体写真撮影用赤道儀についてです。

ウォームホイール/ギア方式にした3号機は、組み上げた後も中々動作が安定せず、試行錯誤を繰り返してきました。

【変更 その1】

15/20の平ギアによるウォームギア軸とモータの接続を1/40ウォームホイール/ギアに変更 試写の結果、不規則なあばれが酷く、トルク不足/マイクロステップ動作の精度不良を疑って、減速比を大きくしてみることにしました。

結果は、それほど改善せず、途中で、不規則なあばれの原因は、回転軸とカメラ取付架台の固定が不十分なため、ここが不定期にスリップしていたことによるものと判明。

調達したφ10mmのリニアシャフトは、表面がつるつるに仕上げられており、ボルトの押しつけによる固定程度では容易にスリップしていました。

そこで、φ10mmのリニアシャフトのボルトの当たる部分をグラインダで削りボルト固定を確実に行えるようにしたところ、以下のようにきれいなサインカーブのピリオディックモーションとなりました(ウォームギアシャフトを受けているボールベアリングが破損していることも判明、交換)。

ただ、1/40ウォームホイル/ギアによるブレにより細かい周期のピリオディックモーションも複合するようになったので、初期の方針である「長い周期のピリオディックモーションのみ」とするのに反し、以後の対策がやりづらいとも考えて、さらに変更することとしました。

【変更 その2】

モータとウォームギアシャフトの直結を試してみることにしました。

その間、2~3日かけて#800程度の研磨材ですり合わせを行いました。

その結果が、以下のとおりです(D610 + Ai Nikkor 200mm F4で2周期分を撮影したもの)。

001ピリオディックモーションの振幅は大幅に改善しましたがなんとも不思議なカーブになっています。

これは、すり合わせ研磨の効果の他、仮組立てのためモータを完全に固定できていないことも影響しているものと考えています。

ここで使用した諸元は、

  • メインギア・・・・・・・・・・減速比1/50ウォームホイール/ギア
  • ステッピングモータ・・・SM-42BYG001-25 バイポーラ 静止トルク 0.23N・M 200P/回転
  • マイクロステップ・・・・・1/128
  • 駆動パルス・・・・・・・・・14.85Hz

で、重りでバランスさせていることもあってか、トルクは足りていますし、マイクロステップもギア減速に劣らず、ほぼ正確に動作しているみたいです。

今後は、ほぼ、機械構成が上記の諸元で固まりましたので、モータ固定架台を作り直し、ハード面を仕上げてしまいたいと思っています。

最終的にモータを200step/回と400step/回のどちらにするかは、今後のテストで決めたいと思っています。

2014年11月 4日 (火)

天体写真撮影用自作赤道儀3号機、ほぼ完成

天体写真撮影用自作赤道儀3号機、ほぼ完成です。

20141102_5434

ほぼ構想どおりに仕上がりました。 前回に書いた詳細から以下の点を変更乃至今後の検討事項としています。

  • バランス用ウエイト

真鍮製 φ60mm t=20mmでは重さが足りず、写真のf300mmレンズ搭載時には、バランスが取れないことが判明 鉄製 φ80mm t=20mmを追加しました。・・・これも単独ではやや不足です。

  • 極軸合わせ用ファインダの取付

ファインダ用の取付足をカメラ取付部のブロックに直接付けようとしたのですが、チョット高さ不足で本体フレームと干渉することが判明、取付用足とブロックの間にゲタが必要です。

どうせゲタを履かせるのなら、脱着の容易性や方向調整といった機能も付けたいので、もう少し工夫をするつもりです。

20141102_5436

コントローラ部分の写真です。

100×100×190mmの躯体としたのですが、なんとか、コントローラの基板類を押し込めることができました。

わりとすっきりした外観になったのではないかと思います(躯体表面の仕上げができていなく、やすり傷が目立つのはご愛嬌です)。

接続コードは、電源(12V 2.5mm標準プラグ)、結露防止ヒータ+サーミスタ(ミニDIN 4Pコネクタ)、MCDC2互換シャッターケーブル(2.5mmミニステレオジャック)です。

コントローラの構成図について、その全機能を含んだものを再掲しておきます。

Photo

コントローラの機能詳細

Photo_2コントローラ表示部の機能説明図です。

  • 回転の起動・停止

    回転は、次の3とおりが設定可能、5V、400p/回転のバイポーラ型ステッピングモータを1/128のマイクロステップで駆動します。

    • 【標準モード】

恒星時運転・・・1回転/23時間56分 標準モード選択時に起動し、停止機能はなし(他のモードを選択することで代用)

    • 【高速モード】

恒星時運転の約700倍速、1回転/2分 起動、停止、回転方向切り換え機能あり

    • 【星景モード】

恒星時運転の約半分の速度 星景モード選択時に起動し、停止機能はなし(他のモードを選択することで代用)

  • 撮影

撮影リモコンは、次の設定、表示を行う 設定は、デフォルト値として、ATMega 328のEEPROMに書き込み、起動時に読み出す

    • 【ミラーアップ撮影】

Nikon 一眼レフでMCDC2レリーズ対応で、ミラーアップ機能が付いている機種(600/610/7100)に対応 ミラーアップからシャッターレリーズの間隔を秒単位で指定 1~15秒で設定可

露出時間・・・15~900秒

撮影枚数・・・ 0~99枚 0枚と設定すると、無限に繰り返す

撮影中は、次のデータを表示

露出時間・・・・・・残時間をカンウトダウン

ミラーアップ時間・・残時間をカウントダウン

撮影枚数・・・・・・残枚数をカウントダウン

実撮影枚数・・・・・撮影枚数をカウント

撮影中は、どの状態でも中止が可能

    • 【ディレイモード撮影】

Nikon 一眼レフでMCDC2レリーズ対応で、ディレイモードに対応 カメラに設定したディレイ時間を設定する(コントローラ側にはこの時間をコントロールする機能はない)

露出時間、撮影枚数の設定、撮影中の表示は、ミラーアップ撮影と同じ

  • 結露防止ヒータ

結露防止ヒータの機能は次のとおり

設定温度・・・10℃~60℃の1℃単位 コントローラ起動に設定し、制御間隔は60秒

なお、温度測定用サーミスタのリニアライズ抵抗に3.3kΩを使用していますが、これはそれほど測定精度を必要としないために手持ちの抵抗から選択したもので、必ずしも最適のも(5kΩ程度が最も精度がよい)のではありません。

さて、D5000 + 300mm F4.5を搭載(=今のところほぼ想定最大重量)しての駆動では、上記のようにややバランス不足のため、高速運転(2分/1回の回転)では、荷重が最も大きくなる位置付近で、脱調傾向が見られます。

通常速度での運転では、特に問題なく駆動できるみたいです。

実際に星の撮影までしたかったのですが、土日と天候が悪く、試写をすることは出来ませんでした。

単身赴任の月一帰宅では、晴天に当たる確率は極めて小さいことを思い知らされた次第です(6月~10月間は天候に恵まれていません)。

どのくらいの精度に仕上がっているのか、不安を抱えながら次回のチャンスまでお預けです。

今回の製作で思い知らされたこと。

本体周りの製作は比較的順調だったのですが、コントローラを組み付けてテストしてみると、モータが動いたり動かなかったりと不安定、結露防止ヒータの動作も不安定となかなかスムースに動いてくれませんでした。

回路をトレースして間違いがないか探したり、部品の不良を疑ったりするのですが、なかなかうまくいきません。

老眼鏡+照明で丹念にチェックしていくと、あちらこちらにハンダ付けの不良と思われる箇所(回路パターンの銅箔にハンダは乗っているが、部品の足にハンダが接着していない)が見つかり、これらを潰していくと全てが嘘のようにきちんと動作するようになりました。

教訓・・・はんだ付けは丁寧に、かつ全てチェックすること=むだな労力が省けます。

 

2014年10月22日 (水)

天体写真撮影用赤道儀の製作 3号機の詳細

天体写真撮影用自作赤道儀 3号機の詳細です。

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<設計図から起こした3Dイメージ>

【主軸部】

  • ウォームホイル

協育歯車製 CAC702 モジュール1 減速比1/50 軸部内径φ10mm

  • ウォームギア

協育歯車製  S45 モジュール1 軸部内径 φ6mm

  • 主軸

ステンレスリニアシャフト φ10mm

  • ウォームギアシャフト

ステンレスリニアシャフト φ6mm

  • 主軸軸受

ピローブロック ひし形フランジユニット φ10mm

  • ウォームギアシャフト軸受

φ6mmベアリング(ベアリングホルダ付き)

  • 駆動モータ

バイポーラ型ステッピングモータ ST-42BYH1004 5V 1.0A/相 静止トルク4.4kgf・cm 軸径5mm

  • 減速ギア-1

モジュール0.75 歯数 15 軸内径φ5mm

  • 減速ギア-2

モジュール0.75 歯数 20 軸内径φ6mm

  • ベースフレーム

アルミ厚板 t=10mm

ウォームホイルの選定については、軸に十分な強度を持たせたかったので、φ10mm以上を前提とし、手持ちの減速歯車の軸径がφ6mmであること、歯数は50以下(ピリオディックエラーを出来るだけ長周期とする)としたかったことから、入手可能な上記組み合わせとしました。

結果的にはウォームホイルは、やや高い品物となってしまっています。

減速歯車の減速比は15/20と極めて小さいですが、これは、減速が目的ではなく、単に回転の伝達だけが目的のためです。

場合によっては、減速歯車を使用しないダイレクト接続もできるようなレイアウトとしています。

【カメラ取付部】

  • 軸受

オイレスピローひし形フランジユニット 軸内径φ10mm

  • 躯体

アルミブロック 50×50×20mm

  • ウエイト軸

寸切ボルト M10

  • ウエイト

真鍮製 φ60mm t=20mm

  • 雲台

バル自由雲台

  • 極軸合わせ

30mmファインダー

以上を、ウォームホイル/ギア、ベアリング等はオリジナルマイントの通販で入手しています。

これらを組むための軸受け等にアルミアングル/チャンネルを組み合わせました。

組み付けや接合は全て、ねじ留めとし、M3~M10のタップ立てを行っています。

今回の製作では、電動マルノコ(自作作業テーブル取付)にアルミ切断用歯を取付て使用しましたので、部材の切断は非常に楽になりました。

穴開けは、簡易ボール盤ですので、鉛直性等精度がイマイチです。

モータとウォームギアの干渉を避け、横幅を抑えるため、ウォームギアの配置は上下方向にしています。

カメラ取付部分は、結構悩んだのですが、ナノトラッカーのような主軸に直接雲台を取り付ける形式では、撮影方向により重量バランスが大きく変化することから、ドイツ型とし、バランサーでバランスを取って動作の安定性を狙っています。

構造は、50mm×50mm、厚さ20mmのアルミブロックを、菱形フランジユニットを取り付けた、t=4mmのアルミL型ではさみつけて回転できるようにし、M10の寸切ボルトを重りシャフトとしました。

固定は、M6ボルトにノブを取り付けたものでシャフトを抑える形式にしています。

アルミL型で挟んだのは、雲台取付幅を確保する他、菱形フランジユニットがφ22mmで取付側にも出っ張っており、この部分にφ22mmの穴開け加工が必要だったための苦肉の策です。

【コントローラ】

2号機のコントローラをほぼ踏襲しながら、新しく作り直しました。

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<コントローラ回路図>

3号機では、超低速回転のため、モータドライバL6470のRUNコマンドでは速度分解能が足りず、ステップ駆動モードを使用することにしました。

L6470のRUNコマンド( = RUN(DIR,SPD) DIR=回転方向 0x50 or 51 SPD=12bitの速度値)で指示するSPD値は、 p/sec = SPD×2^-28÷250ns で表され、ここでの「p/sec」は、マイクロステップではなく、モータの本来のステップ数ですので、当該モータの場合は400p/1回転での計算となります。

上記のギア比で1回/日の回転のなるためにはSPD = 11で0.9415回転/日、SPEED = 12で1.0271回転/日となってしまい実用に適しません。 これに対して、ステップ駆動モードでは、1パルス = 1マイクロステップで動作しますので、細かい設定が可能です。

回転速度は、1回/1436minですので、ウォームホイール/ギアの減速比 1/50、減速ギアの減速比 15/20で、 1/1436÷1/50÷15/20 = 0.046425r.p.m となります。

使用するステッピングモータ(ST-42BYH1004)は、400step/1回転ですので、これをさらに1/128のマイクロステップ駆動とすると、 0.046425(回/min)×400(step)×128 = 2,377(step/min) = 39.62(step/sec) = 39.62Hz のパルスが必要となります。

Ardiuno互換のATMega328では、正確なパルス生成が難しそうなのと、根本的に入出力ピンそのものが足りないことから、PIC12F629をパルスジェネレータとして使用することとしました。

PIC12F629は、Timer1割り込みを使用し、Timer1レジスタの初期値を所定のパルス周期発生のために必要な値とすることで、パルスを得ています。

初期値を増減させることで、速度調整ができるようにしています。

この速度調整は、ピリオディックエラーキャンセラとして、あるいは将来(?)オートガイダ搭載時の機能として使えるようしたものです。

なお、パルスの正確性を確保するため、PIC12F629の動作には外部発振でクリスタルオシレータを使っています。

このパルスジェネレータとしてのPIC12F629を加えた以外は、ほぼ2号機と同じコントローラです。

高速回転は、ST-42BYH1004+L6470の組み合わせでは、40r.p.mは十分に回転しますので、今回の超低回転と併せて、主軸を2min/回(モータ回転速度=33.3r.p.m なんと700倍速!!)の速度としています。

この他、星景撮影モードとして、1/2速での動作を加えました。

星景撮影モードの1/2速時の速度は、正確に1/2となる必要がないので、ステップ駆動モードではなく、L6470のRUNコマンドで実現しています。

付加機能として、撮影コントローラ(ミラーアップ撮影、ディレイ撮影に対応 露出時間は1秒以上)、結露防止ヒータコントロールを付けています。

撮影コントローラは、既に紹介済のものですが、結露防止ヒータコントロールについては、以前書いたものと大きく変わっていますので、その詳細を書いておきます。

面状発熱体は、以前に書いた20Ωのものでは、電流が無駄に大きくなるだけということ分かり、80Ω×2枚に変更しました。

温度コントロールも可変電圧キットによる方法をやめ、ATMega328のPWM制御で行うこととしています。

面状発熱体部に張り付けたサーミスタで温度を計測し、これに基づいてPWM制御(ダーリントントランジスタ経由)で設定温度になるよう温度制御を行えるものとしています。

外気温との差を5度程度に設定した場合、平衡時のPWM制御で50%程度(5~6V)ですので、消費電流も100~200mA程度ではないかと思います。

ヒータコントロールは非常にスマートになりましたが、これはひとえにPWM制御が簡単に使えるArdiunoのおかげです。

コントローラは、今までの使用感から、赤道儀に内蔵する形式にするつもりで、新たに基板を作成しました。

2014年10月15日 (水)

天体写真撮影用赤道儀方針転換 3号機の製作

久々の書き込みは、天体写真撮影用自作赤道儀の総括というか、方針変更についてです。

ノーガイドでの精度を求めることを前提にアーム長を長くとって、絶対的な誤差の小さくすることを狙うため、あえてタンジェントスクリュー式を採用し、2012年の1号機製作以来、数々の改造を重ねてきました。 その主なものは、

  • スクリューを寸切りボルト → 台形ねじ

ねじピッチの精度の他、寸切りボルトでは、直径がやや小さく(M8では、φ8mmより若干小さい)、軸受けベアリングで受ける場合、偏芯を避けれないので、正確にベアリングで受けれるよう台形ねじを使った。

  • 主要構造材をMDF(木製チップ材)からオール金属製(アルミ)へ変更

強度増加と精度向上を目指して木製の1号機から総金属製の2号機へ

  • 大きなステッピングモータによるギア比の最小化

SPG27(減速機付きユニポーラ型)、ST-42BYG020(ユニポーラ型)、SM-42BYG011(バイポーラ型)、ST-42BYH1004(バイポーラ型)と変更し、ドライバーもそれに併せて変更した。

ギアのかみ合わせ等工作精度が出ない中での精度維持を目的に、ギア段数を減らし、最終的にはスクリュー(台形ねじ)を歯車を介さずにダイレクトに駆動するため、比較的安価に入手可能な範囲で、大トルクのバイポーラ型ステッピングモータへ変更した。

  • ムーブメントの精度向上    

アームの構造の変更、スクリューの直線運動を回転運動に換えるための機構については、簡便なスリットによる褶動から、最終的にはリニアガイドを使用。

と、さまざまな対策を講じてきましたが、絶対的精度は±20秒程度には納まるものの、その周期が1.5分(=スクリューの回転速度)と短いため、長焦点レンズでは30秒以上の露出に耐えないと言う限界が克服できませんでした。

こういった状況で、ナノトラッカーを購入、撮影してみると、ピリオディックエラーは非常に大きいのですが、その周期は29分弱と長いため、長焦点レンズでも30秒程度の露出には耐えると言う事がわかりました。

これには、衝撃を受けました。

ピリオディックエラーの絶対値を小さくすることばかり考えていたのですが、ピリオディックエラーの絶対値が大きくても、周期が十分長ければ、実用上はそちらの方が有利であると言う当たり前の事に気付かされてしまいました。

そこで、方針を転換し、3号機を新たに作成することとし、タンジェントスクリュー式をやめ、ウォームホイル駆動で挑戦することとしました。

精度が少々悪くても、周期が長ければ、短時間の露出には耐えるものだと言う事を前提とし、

  • ウォームホイルの歯数は小さくする(長いピリオディックエラーの周期を狙う)。
  • ギアの組み合わせは最小とする。
  • 回転トルクは、大きいモータで補う(車用バッテリーを電源にするので省電力は二の次)。
  • マイクロステップで必要なパルス数を確保(20p/秒以上)

を製作の基本事項としました。

実機は、

  1.  ウォームホイル/ギア・・・モジュール1、歯数50
  2.  主軸・・・・・・・・・・ φ10mm
  3.  ウォームギア軸・・・・・ φ6mm
  4.  モータ減速比・・・・・・ 20/15
  5.  モータ・・・・・・・・・ バイポーラ型ステッピングモータ ST-42BYH1004 5V 1.0A/相 静止トルク4.4kgf・cm 軸径5mm
  6. モータドライバ・・・・・ 秋月電子製ドライバーキット(L6470使用)
  7. 標準パルス・・・・・・・ 39.62p/秒(1/128マイクロステップ駆動) モータ回転数  1回/1436min×50×(20/15) = 0.0464r.p.m = 21.54min/回
  8. コントローラ・・・・・・ Ardiuno互換、標準/700倍速(正/逆転)/1/2速、レリーズコントロール、結露防止ヒータコントロール
  9. その他・・・・・・・・・ バランサー付き(ドイツ型 1軸駆動)、極軸合わせ用φ30mmファインダ搭載

を諸元とし、製作にかかりました。

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ほぼ、完成形に近い形まで出来上がっていますが、構想どおり、回転トルクが足りるのか、ピリオディックエラーの程度はどうかと試写で詰めていきたいと思いますが、さてどうなることか結果が楽しみです。

2014年1月13日 (月)

2014年の撮り始め

今年の年始は、休みが長かったことの他、福岡の天気は、ここ数年では考えられないくらいいい天気が続き、元旦早々から、撮影ができました。PM2.5の影響か、冬にしては透明度がイマイチでしたが。

自作の天体写真撮影用赤道儀の開発は、追尾精度に満足していないものの、短時間であれば、300mmまでの望遠レンズでの撮影もできるようになりましたので、ほぼ一段落とし、撮影を楽しみたいと思っています。

3_d50002014010224f56160060sec51p2撮影データ D5000 Ai Nikkor 24mm F5.6 ISO1600 60sec×51枚

一枚目は、冬の定番、冬の大三角形です。D5000は、フィルターを交換しているのですが、バーナードループは写っていません。光害のない暗い夜空でないと無理なんでしょう。

2014_01_02d5000_180mmf56_90sec_7p撮影データ D5000 Ai Nikkor 180mm F5.6 ISO1600 90sec×7枚

これは、私の大のお気に入りのレンズ、180mmでの初天体写真なんですが、星の写真でも収差が少なく、なかなかいい感じです。200mmF4よりこちらがよさそうです。

次は、流星群の撮影以外では使っていなかったD600での本格的な初天体写真です。M31を撮ってみました。

M31_2014_01_02d600_300mm_f562撮影データ D600 Ai Nikkor 300mm F5.6 ISO3200 30sec×45枚 トリミング有り

新旧、DXとFXの差があり、当然といえばそれまでですが、D5000と比較すればISO3200でも荒れは少ないのではと思っています。

最後に、

M3736_d50001805690sec17shot撮影データ D5000 Ai Nikkor 180mm F5.6 ISO1600 90sec×17枚

ぎょしゃ座のM36、37を撮ってみました。

自作の天体写真撮影用赤道儀の開発が一段落したので、メシエ天体の総取りを目標にしたいと思っての撮影です。

なかなか撮影時間が取れませんが、どの程度達成できるか、ぼちぼちとやります。

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2013年11月30日 (土)

残念!、世紀の大彗星は・・・

世紀の大彗星として、期待の大きかったアイソン彗星は、近日点を無事に通過できず、崩壊、消滅してしまいました。

28日からは、SOHO衛星のサイトに釘付けで、近日点通過後に若干明るくなり、淡い期待をいだかせましたが、最新の映像では、風前の灯火みたいに急速に拡散し、淡くなってしまいました。

12月7~8日には、写真撮影のため、関東で遠征しようと撮影地の物色、車の手配など、色々と考えていたのですが、すべて水の泡です。

彗星の予報の不確かさを改めて思い知らされました。

Photo_3

Photo

結果、手元に残ったのは、関東での遠征を考えて購入した「ナノトラッカー1式」です。

自作した赤道儀で十分目的ははたせるはずですが、とてポータブルとは言えず、自宅ではなく、関東での遠征では使えないということで、購入しました。

Photo_2

極軸合わせも、北極星に頼らずできるビクセンの「ポーラメータ」も併せて購入し、ナノトラッカー本体にアクセサリーシューアダプタをねじ込みで取付けて、なかなか使い勝手のよい感じに仕上がっています。

 この形でセットしますので、角度は35度ではなく55度でのセットになりますが。

 

 

 

 

 

 

事前のテスト撮影での追尾精度は・・・・・・

D5000+135mm で 30sec露出の1時間分を合成したものですが、

Checkimage1_2

ごらんのとおり、ピリオディックモーションは30分周期で大きく、また、極軸もポーラメータでの簡易セットのため、大分ずれています。

 でも、この30sec露出では、ほとんど点像を確保出来ます。

21枚合成して、画像処理したものが、これです。

D50005_630sec

撮影データ D5000 Ai Nikkor 135mm f2.8 f5.6 ISO2500 30sec×21枚

ちゃんと写るものです(首都圏の住宅密集地ですので、ひどい光害がある悪条件下です)。

私の自作赤道儀の追尾精度の方がはるかにいい精度なんですが・・・・

 

今どきのデジカメはISO2500や3200は平気ですし、この感度では、よほど暗い夜空でないかぎり、3~5分以上の長時間露出は無意味ですし、カメラさまさまのフィルム時代とは、隔世の感が有ります。 

 


 

 

 

2013年8月30日 (金)

天体写真撮影用赤道儀の自作 <コントローラの完成>

コントローラの一応最終形と考えるものが完成です。

構成は、前回書いたとおり、バイポーラステッピングモータをL6470ドライバーで駆動する形式とし、コントローラは、結局PIC16F88で組みました。

基盤は、前回と同様、感光基盤で作成しました。

01

今回は、実装密度をあげて、最小の大きさで作りましたので、前回の半分で出来上がっています。

少しは、基盤らしくなっています。

下の写真は、PIC16F88をはじめ、部品を実装したものです。

02

前回、PICマイコンでのSPI通信がうまく行かないと書きましたが、これもわかってしまうとあっけないぐらいで、マスター側での書き込み(同時に読み込み)を割り込みで処理し、スレーブからのデータの読み込み完了をSSPIFで判定しようとしていたのですが、これはスレーブ側では動作するのですが、マスター側ではうまくいきません。

マスター側はSSPSTATレジスタのBFを見ればよいのでした。

よって、プログラムは以下のように単純なものでうごきました。

PICでのSPI通信の例があまりないので、以下にあげておきます。

/*  SPI通信ルーチン  */
unsigned char SPI_Trans(unsigned char c){
    unsigned char cc;

    SPI_CS = HIGH;        // チップセレクトpin OFF = HIGH
    SSPBUF = c;             // 送信データを送信バッファへセット
    SPI_CS = LOW;        // チップセレクトpin ON = LOW
    while( BF == 0);         // 送信完了まで待つ
    cc = SSPBUF;           // 受信バッファの値を読み出し
    SPI_CS = HIGH;       // チップセレクトpin OFF = HIGH
   return cc;                    // 受信データの戻し
}

わかってしまえば、理屈どおりですし、至極簡単なものでした。

くみ上げた、内部の写真です。配線がごちゃごちゃとすっきりしないのはご愛嬌です。

03

コントローラの最終形の外観です。

これで、多分コントローラ側の変更は必要ないと思っています。

04

後は、追尾精度をあげるためのタンジェントスクリューの組み立て・調整を残すのみですが、中々進展がないのが現状です。